「あたりまえ」について 顧問 鷹峰 道雄(京都府 泉谷寺住職)
現代の危機、それは「あたりまえ」の崩壊である。私たちは空気があるのがあたりまえ、水があるのがあたりまえ、食物があるのがあたりまえというように、常に自然の恩恵を、あたりまえとして享受してきた。しかし今、そのあたりまえであるべきものが、地球規模でバランスを崩し始めている。
私たちがこの地球上に生きているのは、大自然の恵みを始め、実に様々な奇跡とも思える微妙なバランスの上に成り立っている。しかし人間は、最も大切にすべきその微妙なバランスを無意識のうちに崩し続け、近い将来取り返しのつかない状態にしようとしている。しかも問題は地球環境汚染だけではないのである。人の心の問題においても、実に深刻な状態である。例えば今まであたりまえとしてきた、命を大切にするという心は薄れ、想像を絶する犯罪や事件が頻発している。このままの状態で進めば、どんなに便利で恵まれた社会に住んでいても、人間らしい本当の心の安らぎは得られないであろう。私たちは今一度このかけがえの無い生命を支えているあたりまえの事柄に対し、深く心を致し、見つめ直すことが大切であろう。
その時初めて、日常あたりまえとしているすべてが、途方も無く有り難い(有ること難し)授かりであると気づくことができると思う。
贅語 団子の味
帰省した新発智(小僧)に、母はまずい竹の実団子を出した。
「これは飢饉の時のもの。あなたは今から難行苦行が待っています。これは母からの寸志です。」
新発智はここに万難不撓の志を固めた。後の森田悟由禅師である。
(竹林庵主)
塔世歌壇 会員 小林 伸一(津市)
柿若葉揺らする風に乗りて来し
精の果たての栗の花の香
欲惜春
青葉が鮮やかです。
ご寄稿下さいました鷹峰顧問に厚くお礼申し上げます。
(河)
▼如愚如魯(にょぐにょろ)とは…
潜行密用 如愚如魯
(せんこうみつよう ぐのごとくろのごとし)
人間の価値は、他人の見ていないところでの行動で決まるという言葉です。
真に自己を見つめて生きている人は、他人の評価を気にしない。だが最近では、そのような人はほとんどいなく人の目ばかり気にして行動し、裏では何をしているか解らない人が多くなっています。しかし他人が見ていない所での行いにこそ、人間の真価は問われているのではないでしょうか?
ささやかな仕事、目立たぬ仕事にベストを尽くし、利益や名前・肩書きの為でなく、人間としてなすべき事を行動として現してほしいものです。
「潜行密用」 潜に目立たぬように行うこと
「如愚如魯」 愚者のように振る舞うこと
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