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薬師如来奉賛会会報[如愚如魯]

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如愚如魯 薬師如来奉賛会会報 No.32 平成19年4月


「正師たるべし」

      顧問 永井 政之(駒澤大学教授、群馬県 渋川市 良珊寺住職)

 この原稿を認めようとしている真っ最中に「教育基本法」の改正が参議院を通過した。第二次大戦直後に制定されて以来、いわゆる「民主主義教育」の基本として、団塊世代とその子供達を教育し、結果として現代社会の構築に大きな役割を担った法律の改正である。
 賛否両論さまざまあったはずだが、さほど粉糾することもなく、あっけなく可決された一方の理由に、現代社会が抱える問題を垣間見ることはさほど難しいことではない。いじめなどにも見られる教育現場の荒廃、学力の低下等々である。愛国心の涵養なども重要な柱とされる。それらを義務教育の段階から考え直そうというのも全く理解できないわけではない。「だが待てよ」とも考える
 たしかに今の子供は「昔の子供」とは違う。周囲の環境も、与えられる情報も、さまざまな面において両者には格段の違いがある。
 そのような違いの中でなにより異なるのは「大人」に対する信頼感ではないかと、私は考えている。
 テレビなどを通して子供達に「与えられる情報」の大半は「大人の世界の裏側」であり、そこで繰り広げられる大人の世界は「煩悩無尽」そのものである。昨日までしたり顔してマスコミに顔を売っていた政治家も、大学教授も、警察官も、ときには坊さんまでも、一皮むけば何をやっているのか分からないという認識が子供達の中にありはしないか。
 ここで私たちは、道元禅師「学道用心集」が「正師を求むべきこと」をその劈頭に記されていることを思い起こす必要があろう。いかなる名木も匠の腕一つという喩えは、私たち自身が正師たりえているかという厳しい問いかけでもある。
 子供達の教育を云々する前に、大人が大人であることの「誇り」、「正師たることへの努力」を取り戻さない限り、教育の再生などはありはしないと考える昨今である。

贅語 しつけ
 「鳴く声の善きも悪しきも親鳥の教えなりけり藪の鶯」と家康が詠んでいるが、鶯の子は声の善い親鳥につけることだ。人の子も善いことを見習わせ、悪い癖を付けさせぬのがよい。明治の大徳、悟由禅師の慈訓だ。(竹林庵主)


塔世歌壇  会員 小林 伸一(津市)
 黄なる色佐保姫は愛づ 満作に
    山茱萸 連翹 菜の花 蒲公英



欲惜春

今年の一筆啓上賞の一つ。
「お父さんへ」父親ってなに?「子へ」オマエの見本じゃ!
親の威厳がにじみます。
32号です。ご寄稿下さった永井顧問に厚くお礼申し上げます。 (河)



▼如愚如魯(にょぐにょろ)とは…

潜行密用 如愚如魯
(せんこうみつよう ぐのごとくろのごとし)

人間の価値は、他人の見ていないところでの行動で決まるという言葉です。

真に自己を見つめて生きている人は、他人の評価を気にしない。だが最近では、そのような人はほとんどいなく人の目ばかり気にして行動し、裏では何をしているか解らない人が多くなっています。しかし他人が見ていない所での行いにこそ、人間の真価は問われているのではないでしょうか?

ささやかな仕事、目立たぬ仕事にベストを尽くし、利益や名前・肩書きの為でなく、人間としてなすべき事を行動として現してほしいものです。

「潜行密用」 潜に目立たぬように行うこと
「如愚如魯」 愚者のように振る舞うこと

 
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