薬師仏礼讃 顧問 霊元 丈法(よしもと じょうほう)
(宮崎県 昌竜寺 住職・九州薬師会副会長)
九州四十九院薬師霊場会は「朝に礼拝・夕に感謝」という日本の心を蘇らせようと開設されました。九州七県を薬師七仏浄土になぞらえ、毎年各県持ち回りで大祭を開いています。ご承知のように九州は天孫降臨の地であり、日本民族の故郷です。同時に仏教やキリスト教の初渡来地でもあります。最澄や空海や道元が留学僧として旅立ち、帰朝した先進の風土です。
この地に最初に上陸したのが薬師仏です。医薬の先生という意味のバイシャジャ・グルと呼ばれ病苦から人々を救済します。もちろん、肉体的病気だけでなく、精神的な苦痛や悩みを生む貧困・社会悪さえも追い払う強力な仏です。
この人生を釈尊は四苦八苦といわれ、それ故に娑婆(スハー=苦を耐え忍ぶ処)といいます。つまり仏教の本質は苦からの解放(解脱)なのです。中でも病苦は一番辛いものです。確かに医学の進歩は目覚しく、国民皆保険と豊かさのおかげで、世界一の長寿国になりました。しかしその陰で荒れ狂う青少年、自殺率世界一の壮年、寝たきりとボケを恐れる老年と、一番豊かに見える今が地獄の真っ只中とは何という皮肉でしょう。これからの時代こそ薬師仏のご加護を願って生き抜いていかなくてはなりません。
贅語 十字架 (竹林庵主)
日本に来たザビエルは各宗と論戦し成果をあげたが、禅宗だけは手をやいた。「彼らの信念はテコでも動きません。悪魔の使いです。」とバチカンに報告している。おそらく喝!とやられたに違いない。われらの先徳の修行の程が偲ばれる話だ。ある禅僧曰く、
十字架の首を曲げれば卍字かな
塔世歌壇 会員 小林 伸一(津市)
仏生会山門の桜咲ききりて
春盛りなり 四天王寺に
欲惜春
各地から花の便りが届く季節となりました。会報第十九号です。ご寄稿下さいました昌竜寺・霊元住職に厚くお礼申し上げます。
(河)
▼如愚如魯(にょぐにょろ)とは…
潜行密用 如愚如魯
(せんこうみつよう ぐのごとくろのごとし)
人間の価値は、他人の見ていないところでの行動で決まるという言葉です。
真に自己を見つめて生きている人は、他人の評価を気にしない。だが最近では、そのような人はほとんどいなく人の目ばかり気にして行動し、裏では何をしているか解らない人が多くなっています。しかし他人が見ていない所での行いにこそ、人間の真価は問われているのではないでしょうか?
ささやかな仕事、目立たぬ仕事にベストを尽くし、利益や名前・肩書きの為でなく、人間としてなすべき事を行動として現してほしいものです。
「潜行密用」 潜に目立たぬように行うこと
「如愚如魯」 愚者のように振る舞うこと
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